エグゼクティブオンボーディング

アセスメントでは分からない経営幹部を「見極める」支援

2026.09.24

経営幹部や管理職の採用・登用にあたり、候補者の性格や行動特性、能力などを把握するために、さまざまな診断ツールの活用を検討されるかもしれません。

本人の特性を客観的に理解できることは、人選における重要な判断材料の一つです。

一方で、経営幹部の登用では、「その人がどのような人か」を知るだけでなく、その人に任せる役割や、迎え入れる組織との関係まで捉える必要があります。
実績や能力のある人材であっても、経営者との期待が一致していなかったり、担うべき役割が明確になっていなかったりすれば、着任後に十分な力を発揮できるとは限らないためです。

エムクラスのエグゼクティブ・オンボーディングでは、「見立てる・立ち上げる・活躍させる」の3つのフェーズを通じて、経営幹部の役割移行を支援しています。

今回は、その最初に位置する「見立てる」フェーズについて、診断ツールとの違いを視点に、経営幹部の登用前に何を捉える必要があるのかを解説します。

「優秀な人を選んだのに、活躍できない」はなぜ起こるのか

経営幹部の登用後には、次のような問題が起こることがあります。

  • 実績のある人材を採用したが、期待した成果につながらない
  • 経営者と本人の間で、役割に対する認識が異なっている
  • 現場との関係構築が進まず、必要な協力を得られない
  • 過去の成功体験に基づく進め方が、新しい組織では機能しない

こうした問題は、必ずしも候補者の能力や経験だけに原因があるわけではありません。

本人に十分な能力があっても、期待される役割が曖昧だったり、経営者や周囲との関係性が整っていなかったりすれば、本来の力を発揮することは難しくなります。

当社と九州大学ビジネス・スクール碇研究室との共同研究「経営幹部登用の実態調査」でも、経営幹部が期待する成果に達しなかった要因として、能力・経験のミスマッチだけでなく、役割定義の不明確さや信頼関係の不足が挙げられました。

登用の成否は、候補者本人の能力だけで決まるものではありません。任せる役割をどのように定義し、周囲との関係をどのように築いていくかまで含めて考える必要があります。

診断ツールと「見立てる」支援は、何が違うのか

人材に関する診断ツールには、性格や行動特性、能力、リーダーシップの傾向などを可視化するものがあります。本人への理解を深め、採用や配置、能力開発などに活用できることは、診断ツールの大きな価値です。

エムクラスの「見立てる」支援でも、経営層に特化したアセスメントを用いて、候補者の特性や行動傾向を捉えます。

ただし、アセスメントの結果を得ること自体が目的ではありません。その結果を、候補者に任せる役割や、迎え入れる組織との関係のなかで読み解き、登用の判断と着任後の支援設計につなげます。

同じ特性であっても、任せる役割や組織の状況によって、強みとして発揮されることもあれば、摩擦やつまずきにつながることもあります。

そのため、「その人がどのような人か」だけではなく、「その人に、この役割を、この組織で任せたときに、何が起こり得るか」まで捉えることが重要になります。

個人の特性を可視化して終わるのではなく、候補者・役割・組織の関係から読み解き、その後の支援につなげる。ここに、診断ツールを活用するだけではない、エムクラスの「見立てる」支援の特徴があります。

「その人」だけではなく、役割・組織との関係を見る

エムクラスのエグゼクティブ・オンボーディングでは、候補者のアセスメントに先立ち、経営者とのセッションを通じて、会社の方向性や経営チームのあり方、今回の役割に対する期待を整理します。

これから会社をどのような姿にしていきたいのか。
そのために、どのような経営チームが必要なのか。
今回のポジションには、何を期待するのか。
どのような状態になれば、登用は成功したといえるのか。

こうした前提を明確にしたうえで、経営層に特化したアセスメントとディープインタビューを実施します。必要に応じて、事前にステークホルダーへの360度ヒアリングを行い、組織の状況や課題に応じて、候補者に確認すべき内容を設定します。

アセスメントの結果を、そのまま候補者の評価や判定に用いるわけではありません。

ディープインタビューでは、候補者自身のこれまでの経験を、幼少期までさかのぼってたどりながら、行動の背景にある価値観や固定観念を言語化します。また、プレッシャーがかかった場面でどのような行動が表れたのかを、本人の具体的な経験をもとに確認します。
そのうえで、捉えた特性や行動傾向が、今回の役割や組織との関係において、どのような強みとして発揮され得るのか、どのような影響や摩擦をもたらす可能性があるのかを見立てます。

つまり、対象となるのは「候補者」だけではありません。「候補者・役割・組織」の組み合わせを捉えることが、エムクラスの「見立てる」支援の特徴です。

また、このプロセスは、登用する側だけのためのものでもありません。候補者本人にとっても、自身の強みや行動傾向への理解を深め、新しい役割への移行に備える機会となります。
見立てた結果を人選の判断材料として提示するだけでなく、本人と組織の双方が着任後に何を意識し、どのような支援が必要になるのかを整理し、その後のオンボーディングにつなげていきます。

診断結果を、登用判断と着任後の支援につなげる

エムクラスでは、経営層に特化したアセスメントとディープインタビューを通じて、候補者の通常時の強みや、ストレスがかかった際に表れやすい行動、背景にある価値観などを捉えます。

さらに、その結果を単独で評価するのではなく、候補者に期待する役割や、組織にもたらし得る影響・摩擦との関係から読み解きます。

目的は、「この人は向いている・向いていない」という判定だけではありません。「その人に、この役割を、この組織で任せたときに何が起こり得るか」を見立て、登用の判断と着任後のオンボーディング設計につなげることです。

人選は、「選んだ時点」では終わらない

経営幹部の登用が成功したかどうかは、人選を終えた時点では判断できません。

その人が新しい役割を理解し、経営者や他の幹部、現場との関係を築き、その組織で意思決定を行い、期待された役割を果たせるようになって、初めて登用の成果が表れます。

これは、外部から採用する経営幹部に限りません。
内部昇格や後継者への承継であっても、担う役割や周囲との関係は変わります。本人だけでなく、受け入れる組織も、新しい体制へ移行する必要があります。
だからこそ、「誰を選ぶか」と「選んだ人をどう立ち上げるか」は、切り離して考えることができません。

診断結果を得ることをゴールにせず、候補者・役割・組織の関係を捉え、着任後の支援までを登用前から考える。

エムクラスでは、この「見立てる」フェーズを、経営幹部の人選を着任後の活躍につなげるための起点と位置づけています。


エムクラスのエグゼクティブ・オンボーディングについて