みなさま、こんにちは。おかげさまで、2024年7月末に第二子を無事出産いたしました。復帰後最初のブログとして、今回は新しいリーダーが着任し、素早くチーム力を最大化する方法について、エムクラスのオンボーディングプログラムの3つの特徴をお伝えします。
目次
「組織診断」で成功率が上がる
1つ目の特徴は「組織診断」です。組織診断により、以下のようなポイント明確にしていきます。
・メンバーがどのようなポジションで、どのように仕事をしているか
・どのような組織文化があり、メンバーはその文化をどのように捉えているのか
・組織文化に隠れている暗黙のルールや価値観
通常、新しいリーダーが現状を把握するのに1、2か月かかりますが、組織診断を行うことで現状把握までの時間を大幅に短縮できます。具体的には以下の2つの手法を用います。
-組織風土診断
組織風土とは、その集団の行動規範や価値観、意思決定プロセス、権力と影響力がどのように機能するかといったこと。具体的な行動レベルで言い表すならば、「会議は反対意見が言いやすい雰囲気かor会議は合意のみをする場で会議前後の調整が重要なのか」「昇進しているのは目立つスターかorそれとも協力的にチームを率いている人か」といった普段言語化されないその集団の「隠れた当たり前のこと」です。エムクラスでは、ミシガン大学のPOS(positiveorganizationalscholarship)という組織行動学の分野での研究結果等をフレームにしながら、「場の特徴」、「リーダーの姿」、「物事の進め方」、「絆のイメージ」、「戦略的に重視するもの」、「成功の基準」といった6つのカテゴリーで組織風土診断を進めていきます。現状と方向性のギャップを知り、変えたいこと、変えたくないことを再選択することになります。これらを事前に理解しておくことは、新しいリーダーが最初の方針を出す際に役立ちます。然るべき方針の出し方・伝え方といったコミュニケーションをサポートします。
-ステークホルダーインタビュー
新しいリーダーが結果を出すのに関係する人物、利害関係者を選定し、エムクラスがお一人ずつにインタビューを行います。主に直属の上司と、直属の部下複数名となります。組織の特徴やその人物の物の見方・考え方に加えて、項目による個人見解や期待値の違いも確認でき、組織風土診断結果や強みのアセスメント結果と合わせて考察が可能です。組織の現在、そして過去・未来を知るための貴重なローデータになります。
「エビデンスに基づく介入」で成功率が上がる
2つ目の特徴は、科学的根拠に基づく行動変容を促す「ストレングスコーチング」の手法を用いていることです。エムクラスのコンサルタントは、それぞれのキャリアの中でこれまで多くのエグゼクティブのキャリア支援と、様々な事業フェーズ・チーム状態の企業における採用・活躍支援の実績があります。しかし、それらの経験や主観だけに捉われず、経験と技術を掛け合わせて「個人」と「組織」の特性に合わせた個別の対応がストレングス・コーチングにより可能になっています。具体的には以下のように行います。
–エグゼクティブ・オンボーディング・コーチング
エムクラスでは個人の行動特性とチームの特性を明確にするため、米国GALLUP社の持つアセスメント「クリフトンストレングス・テスト」を活用しています。このアセスメントは、最新の科学的根拠に基づく行動変容を促す手法です。入社前のオンボーディング・セッションにおいては、オンボーディング対象者のこれまでの経歴および行動特性データをもとに、成功パターンを洗い出します。そしてその裏には、その行動特性からうまくいかない時の傾向や引き金となる事象が隠れており、「移行リスク」の評価にも使用します。着任後は、対象者が自らの能力を最大限引き出せるように、もしくは自身を俯瞰し状況に合わせて軌道修正しやすいように、これらのデータを活用したコーチングセッションを継続します。
まず着任時のセッションで2年、1年、半年の見通しを立て、最初の100日の行動計画に具体化し落とし込みます。継続したセッションの中で、振り返りと再計画をしながら目標達成をサポートしていきます。部下それぞれの行動特性データやアシミレーション時に明らかになった情報を活用し、部下とのコミュニケーションを具体的にアドバイスすることが可能です。
-三者ミーティング
オンボーディング対象者/直属の上司(ポジションにより社長や株主など)/エムクラスの三者で重要なタイミングにミーティングを行います。初回は、着任時までに上司からの期待とその期限、使えるリソースを明確にし合意をするミーティング。その後、1ヶ月後、3ヶ月後とオンボーディングが上手くいっているかエムクラスのファシリテーションにより客観的な振り返りとレビューを行います。効果的なフィードバック手法については、それぞれの特性「強み」を鑑みてコミュニケーションをサポートしています。
最も重要なことは、着任当初の計画を必要に応じて柔軟に修正し、上司と合意形成をすることです。このプロセスを通じて、リーダーがスムーズに組織に適応し、チーム力を最大化できるようサポートします。
「チーム・ビルディング」で成功率が上がる
3つ目はチーム・ビルディングをベストタイミングで行うことです。
新しいリーダーが最初に果たすべきミッションは、「素早く自分のチームを作ること」です。新しいリーダーが着任することは、全ての人にとってポジティブとは言えない変化かもしれません。様々な感情がうごめく中で、上司・部下の相互理解を深め、縦横斜めの関係性構築を促し、チーム・ビルディングに成功することが、リスタートを切る上で社員のエンゲージメントの向上、生産性向上、定着率向上/退職防止にも寄与します。
以下、具体的にワークショップ形式の2つの取り組みをご紹介します。
-アシミレーション(相互理解プログラム)
アシミレーション(「Assimilation」=「融和」「同化」)とは、上司と部下の相互理解を促進する手法の一つです。このプログラムでは、新しいリーダーに退席してもらい、部下たちが上司(対象者)について語り合い、そのディスカッションの内容を新しいリーダーにフィードバックします。その内容に沿って、今度は新しいリーダーが部下に自身の考えを伝えます。
部下が上司に対する要望や期待することがあっても、部下自身が本人を目の前にして伝えることは難しいものです。新しいリーダーにとって、部下の考えや感情を知ることは組織の現状を理解するためにとても重要なことであり、最初の「小さな成功体験」に結び付けられる課題を発見することができます。ファシリテーターは中立の立場にある第三者だからこそ、ディスカッション形式で部下の本音を引き出し、新しいリーダーと相互理解をするサポートをします。アシミレーションは着任から1ヵ月後のタイミングで実施することで、リーダーとチームの円滑な関係構築を支援します。
-チームビルディング・ワークショップ
新しいリーダーが着任から約2ヶ月以内に、チームビルディング・ワークショップを実施します。このワークショップでは、米国GALLUP社の「クリフトンストレング・テスト」の結果を活用します。同社の定義する「優れたチームの特徴」は次の通りです。
①使命感と目的を共有している
②チームメンバーが自分には得意なこともあれば不得意なこともあることを理解している
③チームメンバーがお互いの才能のフィルターを認識しているつまり、
チームのゴールを共通化し、それぞれの違いを認め合い、補完をし合う関係を作ること
これがストレングスを使ったチームビルディングのスタンスです。エムクラスのワークショップでは、組織メンバーのディスカッションを経て、それぞれの具体的な行動計画に落とし込むまでを終日かけて行います。
3つの特徴として記載したこれらのプロセスを経て、ようやくチームとして目標達成を狙うスタートラインに立ちます。チームメンバーの成長促進や目標達成のための具体的な動きは、組織課題調査を経てオーダーメイドしたワークショップを実施し、その後エグゼクティブコーチングやチームコーチングで行動ベースでモニタリングしていきます。
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本日は、新しいリーダーが着任し、素早くチーム力を最大化する方法について、エムクラスのオンボーディングプログラムの3つの特徴をお伝えしました。2024年もあと残り少しとなりました。どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。
2024年12月13日
株式会社エムクラス
代表取締役 村上 しほり
【エムクラスについて】
「チーム力を最大化し、早期に結果を出したい」という変革フェーズの経営者の望みを支援するエグゼクティブ・オンボーディング。私たちは、経営チームの「再構築のタイミング」に特化したサービスを提供しています。
これまで多くのエグゼクティブのキャリア支援と、様々な事業フェーズ・チーム状態の企業での人材の採用・定着・活躍支援の実績に加えて、実践的なチームビルディングやコーチング、組織開発の手法を有したメンバーが在籍しています。最も効果的なタイミングを狙う無駄のないスピード感を持った動きと、問題を未来志向でポジティブに捉え、関わるチームをチアアップする情緒的な価値も、クライアントより評価いただいている点です。