エグゼクティブ・オンボーディング

Executive Onboarding「ウェルカム100日プラン」ができるまで

2021.04.12

本日は、当社株式会社エムクラスの事業である「エグゼクティブ・オンボーディング」についてお話します。

エグゼクティブ・オンボーディングとは

ほとんどの方が「エグゼクティブ・オンボーディング」という言葉を初めて耳にされると思います。

エグゼクティブ・オンボーディングとは:
新しく組織に参画するエグゼクティブが効果的な組織の一員になるために必要な知識、スキル、そして行動を習得する為のメカニズムとそのプロセスのこと。

もしかすると、これまで「オンボーディング」という言葉であれば、人事関連のお仕事をされる方はご存知かもしれません。
オンボーディングという言葉は、新入社員の採用後の定着支援などで使われています。
しかし企業の要職ポジションに対して使われることは極めて少なく、外資系企業やグローバルサーチファームを除き、これまで日本企業では一般的ではありませんでした。
役職者の外部採用が活発になった今でも、採用が決まったら終わり、あとは入社者の仕事、その人間力で乗り越えられる、高いお金をかけてスーパーマンを採用したから大丈夫、そんな声が聞こえてきそうです。

事業化のきっかけ

さて、私はこの15年ほど、人材派遣業・人材紹介業・エグゼクティブサーチ業と、一貫して人材業界で仕事をしてきました。

そこで長らく抱いてきた疑問。
「なぜ実績のある優秀な人材が、新しく参画した組織で結果を残せずにやめてしまうのか。」
この疑問を解き仮説を検証するために、学びを進めてきました。

採用後に、優秀な人材が本来の力を発揮するサポートをしたい

私が2018年に取得した、米国GALLUP社のストレングス・コーチもその一つであり、大きな衝撃を受けました。(通称ストレングスファインダーのアセスメント結果を使い、能力開発や組織開発を行います。)
しかし、この転職という移行期間にフォーカスした、パフォーマンスや成功率に関する学術研究や事業会社のデータは見つけることができませんでした。
「優秀な人材が本来の力を発揮するサポートをしたい」、そのために勘や経験でなく、理論を知りたかったのです。

欧米諸国でのエグゼクティブ・オンボーディングの事例

「人が本来の力を発揮するサポートをしたい」という想いを、私の大切な方にお話していました。
その方のご紹介で、IMDビジネススクールのマイケル・ワトキンス教授の理論を知りました。
リーダーの’移行’に際する「ブレイクイーブンポイント」という考え方です。
オンボーディングに集中して取り組めば、ブレイクイーブンポイントに達するまでの時間を大幅に短縮することができる’と述べています。
(詳細はこちら

それから、エグゼクティブのパフォーマンスに関する若干の記事と、あるサーチファームの20000件の実績をベースにしたエグゼクティブの転身に関する成功率データを見つけることができました。

日本企業の組織風土に合ったものに

ところで日本は、コミュニケーションや意思疎通の際に互いに相手の意図を察し合う“ハイコンテクスト文化”と言われています。契約交渉も、万人にとって楽ではないかもしれません。
この“ハイコンテクスト文化”の背景から、特に普段とは違う、転職して新しい組織に入るその瞬間において、組織風土や入社時のミッションや評価についても、明確にならず苦労をする部分が多くあるように私は思います。

そこで私は、エグゼクティブ・オンボーディングという考え方やメソッドを、日本企業の組織風土にあったものに作り変える必要があると思いました。
さらに、1対1で行う個人へのアプローチではなく集団、企業・組織へのアプローチが効果的であると考えました。

日本企業向けエグゼクティブ・オンボーディング・サービス「ウェルカム100日プラン」

そうして新しいエグゼクティブを迎える企業の為の日本版のエグゼクティブ・オンボーディング・サービスとして、
株式会社エムクラスの「ウェルカム100日プラン」を作ることになりました。

私は“ウェルカム”という言葉の持つ情緒的なニュアンスが気に入っています。
さぁ新しいリーダーをみんなでお迎えしましょう、そんな気持ちを込めました。

これらの事業化に当たっては、竹田弘明氏の存在なしでは決して実現していません。
サーチファームコンサルタント時代から私の恩師のような存在でもあり、またコーチ業やポジティブ心理学の学びを進めるにあたっての道しるべを与えてくださいました。竹田さんには、引き続き当社株式会社エムクラスのアドバイザーとして参画いただきます。
また、甲南大学の西川耕平教授には、ポジティブ心理学をベースとした組織開発(OD)に関する世界の学術研究からの多くの学びを頂くとともに、私の実践家としてのあり方や生き様に魂が宿るのを見守って頂いたように感じています。感謝しています。
そして、私がサーチファームコンサルタントをしていた時に出会い、その頃から変わらず、いつも人生の知恵や知識を惜しみなく分け与えてくださっているA氏。今回はご自身の外資系企業社長から日本企業の代表取締役社長への転身のご経験からアドバイスを頂きました。いつも変わらぬお力添えに深く感謝しています。

このExecutive Onboarding「ウェルカム100日プラン」を育て、
人々が力を最大限に発揮できるように、
実践の場をサポートしてまいります。

2021年4月12日
株式会社エムクラス 
代表取締役 村上しほり